ストレングスファインダー®認定コーチのYukaです。
今回はストレングスファインダー®を活用した「チームビルディング」についてご紹介します。
最近は個人のコーチングと合わせて、生産性が上がる組織づくりについてご相談をいただきます。
組織において、多様なスキルを持つ社員やメンバーが相互に協力し合って高いパフォーマンスを発揮できたら、最強のチームになります。
その際に非常に有効なのがストレングスファインダーです。
ストレングスファインダーを活用することで、個々の特性を活かしたチームビルディングが可能になり、チーム全体のパフォーマンスを飛躍的に向上させることができます。
本記事では、ストレングスファインダーの基本からチームビルディングの活用方法まで詳しく解説します。
目次
チームビルディングの基礎知識
チームビルディングとは…
個々のメンバーが互いの強みを活かしながら協力し、目標を達成するための組織づくりを指します。
チームビルディングの目的…
・ビジョンの浸透
・コミュニケーションの活性化
・チームメンバーの信頼関係構築
・役割分担の最適化
・チームの問題解決力の向上
メンバーの能力や特性を理解し適材適所に配置することで、チーム全体のパフォーマンスを最大化することが
できます。
さらに、オープンなコミュニケーションを促し、チーム内での問題解決能力を高めることも期待できます。
こうした取り組みは、組織の目標達成だけでなく職場環境の改善にもつながります。
次に、このチームビルディングをより効果的に進めるためのツールである「ストレングスファインダー」について
詳しく見ていきましょう。
ストレングスファインダー®とは?
ストレングスファインダー®は、米国GALLUP社が開発したオンラインの才能診断ツールです。
177の質問に答えることで個人の強みの源泉となる才能を34の資質に分類し、TOP5を上位資質として提示します。
ストレングスファインダー®において、「無意識に繰り返し現れる思考、感情、行動のパターン」を才能と定義し、34の資質を明らかにします。
アセスメントの結果は、自己理解を深め、強みを活かしたキャリア開発やチームビルディングに役立てることができます。
詳しくはこちらをご覧ください!
ストレングスファインダーを活用するメリット
①チームの特徴や傾向を把握
ストレングスファインダー®を活用すると、チームストレングスグリッドを作成できます。
これにより、チームの上位資質が可視化され、強みがある領域が明確になります。
例えば、「戦略的思考力」が高いチームなのか、「実行力」が強いチームなのかが一目瞭然となります。
また、メンバーの資質を掛け合わせることで、新たな可能性を見出すこともできます。
例えば、「分析力」と「未来志向」を持つメンバーの協働により、新しい戦略の立案ができるでしょう。
②メンバーの相互理解と円滑なコミュニケーション
ストレングスファインダー®の結果を共有し対話を重ねることで、メンバー間の相互理解が深まります。
単に資質を知るだけでなく、その資質がどのように表れるかを理解することで、お互いの価値観や行動
パターンを理解することができます。
例えば、「内省」が高いメンバーの静かな態度が、深い思考の表れであることを理解できるようになります。
このような理解が進むと、チーム内のコミュニケーションが円滑になり、より協力的な環境が生まれます。
結果として、チームの結束力が高まり、効果的な協働が可能になります。
③個人の強みを活かした役割分担
ストレングスファインダー®の結果を基に、各メンバーの強みを活かした最適な役割分担が可能に
なります。例えば、「コミュニケーション」が高いメンバーはプレゼンテーションや顧客対応の業務に
フィットし、「分析思考」が高いメンバーをデータ分析の役割に配置するなど、個々の才能や能力に合った
業務をアサインすることができます。これによりメンバーは自身の強みを発揮しやすくなり満足度と
生産性が向上し、結果としてチーム全体のパフォーマンスが高まり、個人の成長にもつながります。
④多様性のあるチームを構築
ストレングスファインダー®を活用することで、チームの資質を把握し多様性のあるチーム構築が可能に
なります。 異なる資質を持つメンバーを意図的にアサインすることで、バランスの取れたチームを構成できます。
例えば、「戦略性」が高いメンバーと「実行力」が高いメンバーを組み合わせることで、アイデアの創出から
実行までをスムーズに行えるチームを作ることができます。多様性のあるチームは、様々な視点や能力を活かす
ことができ、創造性や問題解決能力の向上につながります。
⑤ポジティブな組織文化の醸成
ストレングスファインダー®は個人の強みにフォーカスするアプローチです。個人の強みを活かして、
チームの可能性や各メンバーの強みについて話し合うことで、ポジティブな雰囲気が生まれます。
これは、問題点や弱みに焦点を当てるアプローチとは対照的で、ポジティブな雰囲気の中で行われる対話は、
メンバーのモチベーションを高め、チームの結束力を強化します。
また、お互いの強みを認め合い尊重し合う文化が育つことで、長期的にはチームの創造性やレジリエンスの
向上にもつながります。
ストレングスファインダー®受講方法
アセスメントを受ける方法については、こちらの詳しい記事をご覧ください↓
ストレングスファインダーを活用した
チームビルディングのステップ
① アセスメントを受講
まず、チームの全メンバーにストレングスファインダー®を実施します。
各メンバーは177の質問に答え、自身のトップ5資質を特定します。メンバーは結果のレポートを基に自分の強みや行動パターンについて自己理解を深めます。
例えば、「戦略性」が高い人は長期的な視点で物事を捉える傾向があることを認識するかもしれません。
個人の資質診断は、チーム構築の基礎となる重要なステップです。メンバー全員が自身の強みを理解することで、後のステップでより効果的な対話や協働が可能になります。
② チームストレングスグリッドの作成
次に、メンバー全員の資質を基に「チームストレングスグリッド」を作成します。
これにより、チームの資質分布が可視化され、チーム全体の特徴や傾向が明らかになります。
例えば、「影響力」が高いメンバーが多いチームなのか、「人間関係構築力」が強いチームなのかが一目瞭然となります。このグリッドは、チームの強みと「伸びしろ」を客観的に把握するための重要なツールとなります。
チームリーダーはこの情報を基に、効果的なチーム運営戦略を立てることができます。
③ チーム分析ワークショップの実施
チームストレングスグリッドを基に、チーム分析ワークショップを開催します。
このワークショップでは、メンバー全員が集まり、お互いの資質について対話します。
具体的には、各自の資質がどのように仕事に表れているか、過去の成功体験と資質のつながり、資質同士の相乗効果などについて対話をしていきます。
例えば、「アレンジ」と「実行力」がを持つメンバーが、効率的なプロジェクト管理の成功経験などを共有してくれるでしょう。この過程を通じて、メンバー間の相互理解が深まり、チームの強みや可能性についての共通認識が形成されます。
④ チームの目標設定
ワークショップでの対話をベースに、チームの伸びしろを探索し、具体的な目標を設定します。
チームの強みを最大限に活かし、弱みを補完するような目標を立てることが重要です。
例えば、「成長促進」と「達成欲」が高いチームであれば、メンバーの能力開発と具体的な成果の両立を目指せる
目標設定が理想です。
このようなチームは、個々のメンバーの成長を支援しながら、同時に明確な数値目標を設定しそれを達成するための具体的なアクションプランを立てることで高いパフォーマンスを発揮できる可能性があります。
この段階で、チームのベストパフォーマンスについても話し合い、メンバー全員が共感できる目標を設定することが、チームの結束力と生産性向上につながります。
⑤ 役割分担の最適化
最後に、各メンバーの強みを活かした役割分担を行い、具体的な実行計画を策定します。
例えば、「コミュニケーション」が高いメンバーをプロジェクトの対外的な窓口としてアサインし、「分析思考」が高いメンバーをデータ分析担当に配置するなど、個々の資質を最大限に活かせる役割を担ってもらいます。
また、「強みの貸し借り」を促進する体制も構築します。これは、お互いの強みを補完し合うことで、チーム全体のパフォーマンスを向上させる取り組みです。
定期的な振り返りと改善のPDCAサイクルを実施し、継続的なチーム成長を図ります。
ストレングスファインダー®の活用事例
ある企業のプロジェクトチーム(7人編成)で、ストレングスファインダーを活用したチームビルディングの事例をご紹介します。
仕事の遂行において、メンバー同士の役割が曖昧でコミュニケーション不足が課題でした。
なかなか設定した期日までそれぞれのタスクが完了できず、結果としてチーム全体のパフォーマンスが低下していました。
以下は、メンバーそれぞれのTop5の資質と活かし方です。
さあ、どんな結果になったでしょうか…
Sさん(指令性、戦略性、最上志向、目標志向、活発性)
資質の説明:Sさんは強いリーダーシップを発揮し、プロジェクト全体の方向性を決めることに優れています。常に最善の結果を求め、目標に向けて行動力を持っています。
活かし方:Sさんをチームリーダーとして、戦略的にプロジェクトの計画を立て、他のメンバーの強みを引き出しながらリーダーシップを発揮しています。彼の指令性により、チーム全体に明確なビジョンを示し、プロジェクトの目標達成に向けて一丸となって進める体制を構築しました。
Kさん(調和性、共感性、回復志向、親密性、アレンジ)
資質の説明:Kさんは人間関係を調整する能力に長けており、チーム内で対立が起きた際にスムーズに解決する力があります。また、柔軟なアレンジ力を持ち、チームの変化に対応できます。
活かし方:Kさんには、チームのファシリテーターとして、ミーティングの進行やメンバー間の調整役として資質を発揮しています。Bさんの共感性によって、メンバー同士が互いの意見を尊重し合える環境を作り、調和の取れたチームワークを実現しています。
Nさん(学習欲、戦略性、内省、個別化、着想)
資質の説明:Nさんは新しい知識を吸収することに意欲的で、深く考え、独自のアイデアを生み出すことに優れています。また、メンバー一人ひとりの特性を理解し、それに応じたアプローチを取ることが得意です。
活かし方:Nさんには、新しいツールや技術の調査・導入を担当しています。また、彼女の個別化の資質を活かし、メンバー各自のスキルセットに合わせたサポートやアドバイスを提供する役割も担っています。これにより、個々の成長とチーム全体のスキルアップに貢献しています。
Oさん(ポジティブ、コミュニケーション、親密性、最上志向、成長促進)
資質の説明:Oさんはポジティブな雰囲気を作り出し、チームの士気を高める役割を果たします。コミュニケーション能力に優れており、メンバー同士の信頼関係を築くことが得意です。
活かし方:Oさんには、チームのムードメーカーとして自然にコミュニケーション促進役になっています。メンバー同士の情報共有を積極的にサポートしています。Oさんの明るい性格とコミュニケーション力で、チーム内の雰囲気が良くなり、メンバー全員が意見を言いやすい環境が整いました。
Mさん(分析思考、内省、調和性、責任感、着想)
資質の説明:Mさんはデータや状況を分析し、深く考える力があります。責任感が強く、チームの課題に対して積極的に解決策を見つけようとします。
活かし方:Mさんはこれまでのデータを管理し分析するなど、プロジェクトの進捗や成果を客観的に評価する役割を担っています。彼の分析思考により、プロジェクトの現状を正確に把握し、次のアクションプランを策定する際に役立っています。
Iさん(達成欲、規律性、責任感、成長促進、未来志向)
資質の説明:Iさんは目標を達成するための強い意欲を持ち、規律を重んじます。
また、将来を見据えて行動する力があります。
活かし方:Iさんをプロジェクトのタスク管理担当として、規律性と達成欲を活かしプロジェクト全体の進行管理とスケジュール調整を担当しました。彼の未来志向によって、長期的な視点でのプロジェクト計画も立てることができています。
Hさん(未来志向、活発性、着想、適応性、コミュニケーション)
資質の説明:Hさんは未来のビジョンを描く力に優れ、行動力があります。
アイデアを生み出すことや状況の変化に柔軟に対応することが得意です。
活かし方:Hさんには、プロジェクトのビジョン策定とそのビジョン浸透を目的にミーティング毎にシャアしてもらいました。彼の未来志向により、プロジェクト全体の方向性を示し、チーム全員が同じ目標に向かって進むためのモチベーションを高めています。
チームビルディングの成功ポイント
1:明確な目標設定と共有
チームの方向性・ビジョンを明確に定め、具体的でわかりやすい目標を設定します。
これをチーム全体で、その都度共有します。目標が明確であれば、メンバーは何に取り組むべきかが分かり、個々のタスクがスムーズに実行できます。
また、個々の貢献が目標達成にどう影響するかも明確になり、チームのために自分の能力を発揮する喜びを感じやすくなります。
2: メンバーの主体性と多様性の尊重
組織にもよりますが、上下関係や経歴に関わらず、全メンバーが平等に参加できる環境を作ります。
各メンバーの自主性を尊重し、それぞれの能力や個性を活かせる役割を考えましょう。
こうすることで、メンバーは自分の居場所があることを感じ、自分らしく力を発揮できるようになります。
また、多様な視点が集まることで、創造的なアイデアや問題解決力も高まります。
3: 一体感を育ててコミュニケーションを楽しむ
チーム全体で乗り越える課題を設定し、メンバー間のコミュニケーションを促進します。
一人ではできないことを力を合わせて達成する経験は、チームの強い協力関係につながります。
また、定期的な対話や振り返りの機会を設け、互いの理解を深め信頼関係を構築することにより、チームの結束力が高まり、より効果的な協働が可能になります。
まとめ
ストレングスファインダーは、チームビルディングをより効果的に進めるための強力で有効なツールです。
個々の強みを理解し、適切な役割分担をすることで、チーム全体のパフォーマンスを大幅に向上させることが可能です。
また、メンバー同士の信頼関係を深まることで信頼関係が築くことができ、生産性にもつながり結果的にチーム全体のパフォーマンスが向上します。
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今すぐ、チームビルディング構築の一歩を踏み出しましょう!